福田康夫首相は米国訪問を終えて17日深夜に帰国。ブッシュ大統領との
首脳会談では「日米同盟が日本外交の要」であることを確認し、新首相と
して最低限の仕事は果たせたようだ。しかし、注目されていた北朝鮮への
テロ支援国家指定解除については、会談での具体的なやりとりが公表され
ず、指定解除は受け入れがたい日本の立場を強く主張したのかどうか、判
然としない結果に終わった。

 

福田首相の訪米は言わば顔見せのために行ったような感しか残らない、何
とも中途半端なものに見える。ブッシュ大統領は泥沼化したイラク情勢に
足を取られ、もはや残りの任期で出来ることはたかが知れている。米国に
とって我が国とはどのような位置付けにあるのか、小泉政権化では蜜月状
態が続いたとされるものの、それは妄信的なまでの対米追従でしか無かっ
たとの批判も間違いではない。

 

テロ支援国家指定の解除が現実視される中で、対北朝鮮のカードとして拉
致問題しか持たぬ我が国が、これからはどう対峙していくかが重要である。
だが、指定解除に傾きつつあるホワイトハウスを牽制するためか、米下院
で28人の議員が賛同して、テロ支援国家指定解除の条件として拉致問題
の解決を掲げる法案が提出されている。ねじれ国会で苦心する福田政権が
拉致問題をどう進めていくか、注目したい。