大阪市長選は18日、投開票が行われ、無所属で新人の元毎日放送アナウ
ンサーの平松邦夫氏(民主、国民推薦)が、3選を目指した現職の関淳一
氏(自民、公明推薦)、元共産党市議団長の姫野浄氏(共産推薦)、元大
阪市立大教授の橋爪紳也氏、派遣会社員の藤井永悟氏の無所属4人を破り、
初当選した。任期は12月19日から。1947年に首長の公選制が導入
されて以来、同市で初の民間出身市長が誕生することになる。投票率は4
3・61%(前回33・92%)で、71年に統一地方選と日程が別にな
って以来、最高となった。

 

次期衆院選の前哨戦とされた大阪市長選。福田政権下では初の政令市の首
長選であったが、結果は惨敗と言っても良い内容であった。民主党の小沢
代表の辞任騒動が起き、民主党が推薦する候補にとっては逆風となったか
に見えたが、その影響をものともせずに与党の推薦を受けた現職を破った。
与党が参院選で惨敗した原因として、市町村合併の影響で地方の与党系議
員が減少している、また歳出削減路線をとってきたために公共事業が減り、
自民党支持基盤が弱体化しているなどが挙げられる。

 

さらに大阪では公明党創価学会も強力な地盤を持つとされ、当然今回の
選挙でもフル回転したと思うが、元アナウンサーと言う知名度を生かした
平松氏には及ばなかったようだ。大阪市の職員数は、常住人口1万人当た
り166人と政令指定都市では突出し、横浜市の2倍に達しており、現職
の関氏は新規採用を5年間凍結し、7000人以上減らす方針を打ち出し
ていた。財政状況はひっ迫している上に、トヨタを要する愛知・名古屋の
台頭で押され気味の大阪を救えるか、政治家としては未知数の平松氏の市
政に注目したい。