自民党中川昭一政調会長や無所属の平沼赳夫経済産業相らが中心と
なり「保守」の在り方を考える勉強会の設立総会が4日、都内で開かれ、
衆参両院議員30人が参加した。代理出席も29人いた。勉強会は、安倍
晋三前首相が掲げた「戦後レジームからの脱却」路線を継承しながら保守
勢力の再結集を図るのが狙い。総会では、会長に中川氏、最高顧問に平沼
氏が就くことや、会の名称は今後検討していくことなどを確認。「真の保
守」を目指すという理念の下、地域間格差の解消や農業、教育の再生、外
交など幅広い分野で意見交換していくことで一致した。

 

安倍政権下で結束を強めた安倍前首相、麻生前幹事長、中川元政調会長
言った自民党内で右派とされる勢力は、平沼元経産相を加えて頭文字をと
った「HANAの会」との呼び名もあった。平沼氏が「改革を唱えないと
政治家ではないような風潮があるが、日本の文化や伝統を大切に守る姿勢
が求められている」と述べたように、保守そのものの意義を問い直すよう
な集まりなのであろう。安倍政権があのような形で終焉を迎え、保守勢力
は後退したかに見えたが、福田政権はねじれ国会の影響で身動きがとれて
いない。その間に再度保守勢力を結集し、「真の保守」を目指す姿勢は間
違ってはいないはずだ。注目すべき動きであろう。

 

むろん、これを反主流派の形成と見る向きもあるが、これだけ国会が停滞
する中で派手な動きはないであろう。足元を固めていくための「勉強会」
としては、上々の滑り出しと言える。福田政権誕生の経緯からして、派閥
政治がにわかに復活のきざしを見せている中で、このような派閥横断型の
勢力がそれに反発するのは当然だ。無所属の平沼元経産相が新党を結成す
るとの話も出ており、保守勢力の動きが活発化しつつある。我が国にとっ
て真の保守とは何か、形の無いものであるからこそ、しっかりとした理念
が必要である。