ソウル中央地検は5日、韓国大統領選の野党ハンナラ党候補、李明博前ソ
ウル市長の株価操作疑惑について、「嫌疑なし」とし、不起訴処分とする
捜査結果を発表した。世論調査でトップを走りながらも株価操作疑惑の行
方が最大の懸念として残っていた李前市長だが、最後の関門を乗り越えた
ことで、独走態勢が固まることになりそうだ。李前市長の関与が指摘され
ていたのは、投資会社「BBK」と傘下企業が2001年、顧客から集め
た資金を横領し、不正に株価を操作していた事件。李前市長は同社経営者
と知り合いで、別の金融会社に共同出資していたことから、旧与党系の大
統合民主新党が先月5日、「李前市長も共謀していた」として証券取引法
違反の容疑で刑事告発していた。

 

これで韓国大統領選の大勢は決まったと見て良いか。李明博前ソウル市長
の株価操作疑惑が「シロ」と判断されたことで、与党にとってはもはや切
り札は使い果たした感がある。李明博氏の疑惑を問題視し、ハンナラ党
離党して無所属で出馬した李会昌氏は同7.1ポイント減の13.1%と
なり、3位に転落。代わって与党系勢力・大統合民主新党の鄭東泳候補が
同6.9ポイント増の18.5%で2位に浮上したものの、李明博候補の
支持率は1週間前に比べ6.1ポイント上昇し、45.3%と独走状態に
ある。投票日の19日が近付く中で疑惑が解消されたことによる安心感が
追い風となったのであろう。革新政権が10年間続いた韓国で、保守政権
がいよいよ現実味を憶えてきた。