自民党古賀誠選挙対策委員長は6日、全国行脚の最終地の山梨県を訪れ
た。10月初旬から始めた選挙区情勢の視察と都道府県連幹部との意見交
換も、これで区切り。11日に党本部で選挙対策委員会を開き、各地の選
挙情勢をもとに公認調整を本格化させる方針だ。古賀氏は10月9日の千
葉県を皮切りに、この日の山梨県まで計42都道府県を2カ月弱で視察し
た。中には、1日で3県を訪れる「強行行脚」で、周囲に「早く国会に戻
りたい」とこぼすこともあった。この日も自民、公明両党の地方組織や建
設業界、遺族会など支持団体を訪問。古賀氏は「各地で道路特定財源や地
交付税、農政の問題を中心に与党の政策への厳しい指摘が寄せられた」
と語り、月末の予算編成などに成果を反映させたいとの思いをにじませた。

 

与党の参院選惨敗によって政権交代の機運が高まる中で、新たに自民党
役となった選挙対策委員長。惨敗の原因の一つとなったと言われる自民党
の地方組織や支持団体の弱体化は、言わば公共事業などの「ばら撒き」が
減ってきたためであり、それを立て直すのは容易なことでは無い。民主党
の小沢代表が参院選に際して、国会軽視と言われながらも地方行脚を繰り
返したことも記憶に新しい。それだけに古賀選挙対策委員長が42都道
県を2カ月弱で視察したと言うのも危機感の表れであろう。次期衆院選
共産党がこれまでのように、どの選挙区にも候補を立てるのでは無く、
選挙区を絞り込む方針であり、各選挙区に1、2万の票を持つと言われて
いるだけに、強力な集票マシンである創価学会を抱えるとは言え、与党に
とってはなかなか読めない戦いとなりそうである。選挙対策委員長の役割
はかつてないほど重みを増している。