防衛省は15日、現行の中期防衛力整備計画で計画していた次期主力戦闘
機の導入について、10年度からの次期中期防に先送りする方針を固めた。
最有力候補である米国の最新鋭ステルス戦闘機「F22ラプター」の禁輸
が解除されるメドが立たないためだ。同省は、代わりに主力戦闘機F15
の改修を最優先させることにしている。FXは、老朽化したF4戦闘機の
後継機で、現中期防で7機を調達することになっている。同省は、米国や
欧州の戦闘機のうち、高度のステルス性を持つF22をFXの最有力候補
としている。

 

F22のステルス戦闘機としての性能は群を抜いており、現段階で導入が
出来れば文字通り世界最強の戦闘機を手にしたに等しい。それだけに米国
が我が国への輸出を渋るのも当然であろう。イージス艦の機密情報をだだ
漏れにしたことで、基本中の基本である情報管理面での不信を買ってしま
い、この失態をどう挽回していくかで次期主力戦闘機が決まってくる。防
衛省としては、コストはともかくとして現時点で最強のF22導入を目指
すことに変わりないであろうし、導入出来れば東アジアでの軍事バランス
に動きが出てくることだろう。

 

F22を導入することで周辺国の軍拡を招くとの指摘もあるが、中国のよ
うに我が国がどうあれ軍拡を続けている。その事実に目を瞑ったままF2
2の導入を批判するのはどうであろうか。現在の主力戦闘機であるF15
は完成から30年以上経っており、優秀な戦闘機であるものの改修を施す
ことで寿命を延ばしていく他あるまい。防衛省自衛隊は自らのまいた種
はきちんと処理し、信頼を取り戻して欲しい。