トヨタ自動車は25日、ダイハツ工業日野自動車を含む08年の世界生
産台数を995万台、同販売台数を985万台とする計画を発表した。0
7年の生産実績は951万台の見通しで、米ゼネラル・モーターズが約9
26万台を見込んでいることから、76年ぶりに世界首位が交代してトヨ
タが「世界一」になることがほぼ確定した。

 

かつてのイメージでは自動車産業の本家と言えばやはり米国であったが、
こうして我が国の自動車メーカーであるトヨタグループが、世界一の座を
獲得することは、時代は確実に変わったことを意識させてくれる。カンバ
ン方式を武器にカイゼンに次ぐカイゼンを重ねて、世界に冠たる生産方式
を確立したトヨタグループは、自動車産業だけで無く多くの産業に影響を
もたらしてきたと言えるだろう。

 

耐用年数の長さ、燃費の良さ、安全性などを兼ね備えた日本車が米国を席
巻したのは、ビッグスリーと称された米国の代表的な自動車メーカーが、
環境問題など時代の変化への対応が遅れたことに尽きるであろう。そんな
トヨタグループの拡大を続けたことによって「兵站が延び過ぎた」とも指
摘されている。戦線拡大を続けることで、前線と後方の意思疎通に支障を
きたす、そんな恐れもあるのだろう。我が国の自動車産業だけでなく、全
産業を代表する企業だけに、世界一になろうともまだまだ挑戦は続く。