福田康夫首相は4日午前、年頭に当たって首相官邸で記者会見し「私は今
の閣僚のみなさんに引き続きやっていただきたいと考えている」と述べ、
早期の内閣改造を見送る意向を表明した。「来年度予算案を3月末より前
に成立させたい」とも強調、早期の衆院解散・総選挙には改めて慎重な姿
勢を示した。首相は昨年12月末の訪中時は「正月が過ぎて、日程などを
よく考慮した上で考えたい」と18日召集予定の通常国会前の改造を検討
する考えを示していた。4日の記者会見では「今の閣僚は政策課題に一生
懸命取り組んでいる。就任してまだ日にちがない人もいる。臨時国会と通
常国会の間隔も非常に短い」と強調。与党内で期待感が広がる1月中の改
造は困難との認識を示した。

 

ねじれ国会の影響で異例の越年国会となったため、福田首相も正月気分に
十分浸れたとは言い難いのではないか。ほぼ安倍前政権の閣僚を居ぬきの
まま継承した福田政権にとって、自前の内閣とは言えない。ただし、安倍
改造内閣参院選惨敗を受けての布陣だったため、顔ぶれを見れば政権誕
生時からマスコミに揶揄された「お友達内閣」とは違い、派閥の領袖や自
民党の重鎮が顔を並べており、安定感はあるように見える。安倍政権の命
取りとなった閣僚の「身体検査」も改造となればやり直しである。リスク
をとってまで自前の内閣を作る必要性が薄いのだ。それだけにこのタイミ
ングで改造を見送ったことは正解と言えるのではなかろうか。支持率浮揚
のための改造であるなら尚更のことだ。