10日告示された大阪府知事選は、18日召集の通常国会の攻防に影響を
与える重要な選挙となる。昨年11月の大阪市長選で推薦候補が敗れたこ
とから、与党は「政党隠し」戦略を徹底、橋下徹氏の知名度を頼りに無党
派層の取り込みを狙う。これに対し、熊谷貞俊氏を推す民主党は市長選に
続く連勝を目指し、国政選挙と同様の党営選挙で臨んでいる。

 

福田政権の支持率は不支持が支持を上回り、政権発足からわずか3ヶ月で
危険信号が灯りつつある。それだけに大阪府知事選で全面的に与党候補を
支援した上で、落選でもされたら与党に対するダメージは深刻である。3
選を目指した太田府知事が「政治とカネ」の問題から、自公は支援をしな
いこととし、太田府知事は出馬を断念している。「政治とカネ」の問題は
安倍政権でも致命傷となっただけに、早めに決断は仕方のないところであ
っただろう。

 

民主党としては大阪市長選に引き続き知事選でも勝利を収めれば、与党を
追い詰める格好の材料となる。大連立構想参院選勝利の追い風は消えた
かに見えたが、年金問題防衛省の不祥事など攻撃材料には事欠かず、そ
の勢いはまだ持続している。全面的に支援した上で完勝することが出来れ
ば、勢いは本物と言えるだろう。ただし、民主党参院単独過半数を握
っておらず、小政党にも良い顔をせねばならず、野党共闘路線は継続して
いかねばならないのがジレンマとも言える。