民主党小沢一郎代表は11日午後の衆院本会議を途中退席し、新テロ対
策特別措置法案(給油新法案)の採決を棄権した。同氏周辺は、大阪府
事選の同党推薦候補の応援に向かう飛行機に乗るためと説明しているが、
57年ぶりの再可決を批判してきた野党第一党の党首自身の棄権に対し、
党内や政府・与党から批判が相次いでいる。小沢氏が議場を退席したのは、
与党から出された再議決を求める動議に対し、各党が賛否を表明する討論
の最中で、法案採決が始まる直前。

 

総大将が敵前逃亡とあっては与党だけで無くとも野党からも批判の声が出
るのは当然だ。どうせ再可決されるのであるなら、勝敗が決まっていない
大阪府知事選を国会より優先したとも見える小沢代表の行動だが、そもそ
も小沢代表は国会議員である。その仕事を放置したと言うことの意味は非
常に大きい。民主党内から「理解できない。現場のモチベーションが下が
る」「国会議員に採決以上に大事な仕事があるのか」と不満の声が上がっ
ており、今回の行動は軽率の謗りを免れることは出来ないだろう。数の力
を使った再可決を批判しようと言う時に、代表不在ではその批判も力を失
う。小沢代表の求心力低下は確実だ。