第168臨時国会は15日、衆参両院の本会議で会期末処理を行い、閉幕
した。衆参で与野党勢力が逆転する「ねじれ」状況の下で、与党が懸念し
福田康夫首相に対する問責決議案は提出されなかった。民主党は18日
召集の通常国会で、2008年度予算案と関連法案の審議が最大の勝負ど
ころと見て、「最強のカード」として温存した。首相は15日午前の閣僚
懇談会で、臨時国会について「新テロ対策特別措置法が成立して良かった。
国民生活関連の幾つもの法律が成立し、それなりに成果があった」と総括。
一方、民主党鳩山由紀夫幹事長は記者団に「(通常国会では)国民の暮
らしの問題を取り上げて攻勢を掛けていきたい」と語った。民主党参院
に提出し、可決された5法案のうち、アフガニスタン復興支援特別措置法
案など4法案は、衆院で継続審議となった。イラク復興支援特措法廃止法
案は審議未了で廃案となった。

 

与野党ともに経験したことの無かった「ねじれ」国会をどう運営していく
のか、臨時国会はそれの習得に費やされたのではなかろうか。安倍前首相
が職を賭すとまで意気込んでいた新テロ対策特別措置法が成立し、ひとま
ずは与党としては面目を保った形だが、ねじれの状態が維持されることに
変わりは無く、通常国会ではより厳しい対応を迫られるのは間違いないだ
ろう。一方の参院第一党となった民主党も、与党を衆院解散に追い込むと
意気込む中で、突然浮上した大連立構想で小沢代表が辞意を表明したり(
後に撤回したが)、新テロ対策特別措置法の再可決の際に小沢代表が棄権
したりと、とにかく代表に振り回されっぱなしであったと言えそうだ。選
挙の小沢との評判通り、参院選では確かに大勝を収め、その功は大きい。
しかし、だからと言ってとうてい理解を得られないような行動をとってお
きながら、だんまりを決め込むのは良くないことだ。18日に召集される
通常国会での与野党の対決はどうなるのか、注目したい。