インサイダー取引疑惑のNHK記者ら3人が、勤務時間中の株取引を常習
的に行っていたことが19日、分かった。日々、ネットで株価の動きや、
株に関する速報ニュースをチェックしていたという。また、インサイダー
取引を認めている職員2人は、システムのセキュリティーロックが解除さ
れた午後2時38分から午後3時の放送までの間に特ダネ原稿を編集シス
テムの端末で読み、株を購入していた。さらに1人はロックのかかった予
定稿を盗み見て、午後2時38分以前に株を買っていた。そのため同局は
重要な情報が含まれた原稿の管理方法を見直すという。

 

報道に携わるものであれば、インサイダー情報に触れる機会は普通の人よ
りは多いだろう。今回のNHKの記者が起こしたインサイダー取引も、お
そらくNHKの規則では禁止されていたとは思うが、事実上は野放しにな
っていたからこそ起きたことなのではないか。マスコミの特徴として、と
かく身内には甘く、自浄作用を持たないことなのだが、ある種情報を先に
知る「特権」を持ち、またはその情報そのものを報道せずに止めてしまう
ことすら出来る立場にあるのだから、襟を正した上できちんとした対応を
とっていただきたいものだ。橋本会長は辞意を表明したようだが、それで
終わってしまっては何ら意味が無い。最低でも特ダネと言った重要な情報
が報道前に盗み見られるような状態は、今すぐにでも改善せねばなるまい。