変革への期待を一身に集め、「全国最年少知事」が誕生した。27日投開
票された大阪府知事選は、弁護士でタレントの橋下徹さんが、元大阪大教
授の熊谷貞俊さん、弁護士の梅田章二さんらをねじ伏せて初陣を飾った。
自民、公明両党府組織に支えられながらも、抜群の知名度を生かして一人、
マイクを握る「自分流」を貫き、無党派層もつかんでの圧勝。その若さと、
かつてラガーマンとして培った突破力で、大阪再生への「トライ」を決め
られるか。

 

弁護士でタレントと言う知名度の高さが十分に発揮され、野党が推してい
た候補をダブルスコアに近い得票数で破った橋下氏。財政に課題を抱える
大阪を立て直す意気込みとして「破産会社の従業員であるとの覚悟を持っ
てもらい、志ある職員と一致団結して取り組みたい」としたものの、「自
分たちの給料を削るのか、無駄遣いを減らすのか。知恵の使い方が府庁職
員の腕の見せどころだ」と職員に対する配慮からか、トーンダウンした発
言もあったようだ。

 

野党候補が敗れたことで再び不満をぶつけられそうなのが、民主党の小沢
代表だ。新テロ特措法の再可決の際に、この大阪府知事選の応援を理由に
棄権しただけに、敗北は痛手となるのではなかろうか。選挙に勝ってさえ
いれば小沢代表の行動は評価はされないにしても、少なくとも不満を打ち
消すことは可能だった。だが、現実にはダブルスコアでの敗北である。こ
れで小沢代表への不満が出ないようなら、それはそれでおかしな話だ。