千葉、兵庫両県で昨年12月以降、中国製冷凍ギョーザを食べた計10人
が吐き気や下痢などの中毒症状を訴え、千葉県市川市の女児が一時意識不
明の重体になっていたことが、30日分かった。ギョーザは日本たばこ産
業の子会社「ジェイティフーズ」が輸入しており、毒性の強い有機リン系
殺虫剤「メタミドホス」が検出された。両県警は業務上過失傷害や食品衛
生法違反などを視野に捜査を開始。東京都と品川区は同日、食品衛生法
基づきジェイティフーズを立ち入り調査した。問題の商品は千葉県が「C
O・OP手作り餃子」、兵庫県が「中華deごちそう ひとくち餃子」。
いずれも委託先の中国・河北省の河北省食品輸出入集団天洋食品工場の同
一ラインが昨年10月、製造し、計26トン輸入された。

 

またもや中国製食品の問題が浮上してきた。これまでは検査の段階で基準
以上の残留農薬が検出されたり、国内では使用が禁止されている農薬が検
出されたりと、一応のところは水際で食い止めてきたとも言えるわけだが、
今回は実際に被害者が出ていると言うこともあって、中国製食品への不信
はこれまで以上に高まることだろう。多くの原材料を加工した冷凍食品の
場合、通常は細菌数や添加物の検査はするものの、農薬の残留検査は原則
として行われていないため、事実上スルーされた状態で流通してしまった。
消費者にとって店頭に並んでいるものは、どれも安全であるとの認識を持
って買い物をしてきたが、このようなことが起きると中国製は危険と判断
してしまうのはやむを得ないだろう。

 

食品だけで無く中国製の製品があふれる中で、いかにリスクヘッジをして
いくか消費者だけで無く企業にも求められるのではないか。北京五輪を8
月に控える中国にとっても、多数訪れる外国人観光客が安心して食事が出
来る環境を整えられるのか、疑問が残らないわけでもない。もちろん食事
だけで無く、大気汚染と言った環境の問題もそうである。委託先の会社は
「安全性に問題は無い」との一点張りであろうが、我が国の企業は食の信
頼を回復するためにもきちんとした調査をすべきだ。