中国製冷凍ギョーザによる中毒問題は政府・与党も揺さぶった。福田康夫
首相は原因究明と万全の対策を関係省庁に指示したが、食品表示偽装の続
出を受け消費者重視の行政を進めようとしている矢先の出来事だけに神経
をとがらせている。「対応を大至急やらなければいけない」。首相は31
日、中毒問題の一報を受けたのは前日の夕方としたうえで、実態把握や再
発防止に全力を挙げていると記者団に強調した。「情報が伝わらなかった
ことは改善しないといけない」と伝達の不備で初動が遅れたことも認めた。

 

政府が如何に消費者重視を打ち出そうとも、足下がしっかりとしていなけ
れば機能するはずがない。中国産の食品は安くて味も申し分無いとくれば、
消費者に重宝がられるのも当然であり、安さを求めて企業が行き着いた先
が中国での生産だったに過ぎないのだ。チャイナフリーとの言葉もあるよ
うだが、実際問題はもはや中国産から逃れることは難しい。高所得者なら
国産のものに限る、などの選択肢をとることは可能かもしれないが、大多
数の消費者にとってはそのようなことは不可能だ。福田政権が真の意味で
消費者重視を打ち出すのであれば、まずは消費者が生産国が何処であろう
とも安心して食べることの出来る体制を作り上げることである。