自民党は8日、次期衆院選岐阜1区の候補者調整について、野田聖子・元
郵政相を公認内定者とし、佐藤ゆかり衆院議員は東京5区に転出させるこ
とを正式に決めた。野田、佐藤両氏は同日、党本部で伊吹幹事長ら立ち会
いの下で、「両氏が連携し、党本部も支援する」とした確認書に署名し、
そろって記者会見した。佐藤氏は記者会見で、東京5区への転出について、
「ゼロからのスタートになる。東京の衆院議員として気持ちを入れ替え、
国政にまい進したい」と語った。また、「政治家のイロハを岐阜のみなさ
んに教えてもらった。岐阜の支援者との縁は生涯の大切な資産としていき
たい」と強調した。野田氏は「佐藤氏が大きな決断をしてくれたことを深
く受け止める。二人で力を合わせて頑張りたい」と述べた。

 

郵政解散の象徴的選挙区であった岐阜1区。強固な地盤を持つ野田聖子
落下傘候補として降り立った佐藤ゆかり氏。両氏の対決はメディアでも
随分と取り上げられたものだが、野田氏が06年末に自民党に復党してか
らは、選挙区の調整をどうするかが課題となっていたわけだが、軍配は小
泉チルドレンの佐藤氏では無く、野田氏に上がった。郵政解散自民党
大勝したものの多くの禍根を残し、その後始末に小泉後の政権が苦慮して
きた中で、ひとまず一つの問題が片付いたに過ぎない。参院を野党に押さ
えられ片肺飛行が続く与党にとって、次期衆院選では政権交代を阻止する
ために勝てる候補を選んだ上で臨みたい。思うように後援組織が広がらな
かった佐藤氏が切られ、野田氏が選ばれたのも当然の結果だったとも言え
るかもしれない。