福田首相は22日午前の閣僚懇談会で、海上自衛隊イージス艦の衝突事故
に関して、「防衛省の組織的な問題もあると思う。根底から組織を見直し
ていかないといけない」と述べ、防衛省の抜本的な組織改革を検討するよ
石破防衛相に指示した。これを受け、防衛相はこの後の記者会見で同省
内に「改革推進チーム」を設置することを明らかにした。政府は、昨年末
首相官邸に置かれた「防衛省改革会議」の議論も踏まえ、防衛省・自衛
隊の組織改革を急ぐ構えだ。「すべての省庁で起こりうる事故かもしれな
い。全省庁でしっかりと体制を見直すように。危機をどう管理できるかで、
時の政府、内閣が問われる」と強調した。

 

軍隊と言うものは往々にして防衛上の機密を盾にして、隠蔽体質と言うか
情報開示に積極的では無いものである。それが国民の不信を買うものであ
っても、かたくなに拒むようでは、省益を守るために奔走する官僚と大差
はなかろう。防衛省だけで無く、これまで官公庁で不祥事が起きるたびに、
何度も組織改革は叫ばれてきた。福田首相も「すべての省庁で起こりうる
事故かもしれない。全省庁でしっかりと体制を見直すように」とは言って
いるものの、どこまで徹底されるかは疑問である。少なくとも自衛隊の最
高司令官でもある首相に情報が伝達されるのに、2時間もかかると言う縦
割り行政の弊害は取り除かねばなるまい。重大事に同じような連絡体制を
とっていては、話にならないだろう。最新鋭艦が漁船を沈没させる前代未
聞の事故を起こした以上、防衛省自衛隊は真摯に対応すべきだ。