楚天都市報によると、長江の支流の漢江の水が赤く濁り、24日午後から
下流湖北省潜江市、監利県で水道の取水ができなくなった。このため、
住民20数万人と農業への影響が出ている。監利県新溝鎮の水道局長によ
ると、24日午後4時ごろ、取水地点の水が赤濁し大量の泡が浮かんでい
るのを発見。水質が基準に適合しないため、取水を中止した。このため、
住民6万人が水道を使えなくなり、学校も休校した。潜江市の環境保護
職員によると、同市でも水道用の取水を停止。住民20万人近くに影響が
出ている。漢江からの汚染された水は農業にも影響を及ぼしている。

 

写真にあるように、すでに水と呼ぶにはふさわしくないような汚染なのだ
が、これがこの地方だけの問題であるなら、そう大騒ぎするような話では
ない。だが、中国の水資源は経済成長と比例するように汚染されていって
いるとされ、安心して使える水は間違いなく減っていっていることだろう。
今年の1月にも湖南省辰渓県板橋鎮で硫酸工場から漏れた硫酸による地下
水汚染で地元農民に大量の中毒が発生し、河川だけでなく地下水さえも汚
染されている実態が明らかになっている。今は表面化しないだけで、広大
な中国の各地で同じような水による問題が発生していることは、容易に想
像がつく。経済がバブル状態にある中で、どう軟着陸をしていくのか政府
の対応が注目されるが、悪化し続ける環境の改善策も示さねば、取り返し
のつかない事態を招くことであろう。