環境に配慮した商品のお墨付きになってきた「エコマーク」などの信頼性
が揺らいでいる。再生紙やインキ、プラスチックのメーカーで次々明るみ
に出た古紙配合率などの偽装で、ウソを追認した形になったため。エコマ
ークでは偽装が判明した分野が認定商品全体の半分近くを占める。広報紙
で環境マークの使用を見合わせる自治体も出てきた。製紙会社など18社
で発覚した古紙配合率水増しに、インキ会社14社とプラスチック会社1
社の原材料成分の虚偽表示。エコマーク事務局のある「日本環境協会」の
宮川昌治企画部長は1月以降の偽装発覚ラッシュに頭を抱える。

 

環境保護の名の下に突き進められてきたリサイクル。それが根底から崩れ
去ったと言えるメーカーの偽装問題だが、エコマークの認定の審査は、企
業からの提供データに誤りがないということが前提となっており、提供デ
ータを偽装されてしまっては、どうしようもないのだ。我が国は資源の無
い国であり、リサイクル出来るものはリサイクルをする。それがこのよう
にして裏切られては、あまりに悲しいことではないか。「20年近くかか
って築き上げてきたマークの信頼ががらがらと崩れた」とのコメントから
エコマーク事務局の落胆も大いに分かることだ。再生紙の配合率の偽装
が明らかになった時には、製紙業界全体が偽装を行っていたと言う事実が
発覚し、正に偽装の談合であった。環境問題が一種のトレンドとなる中で、
エコマークの信頼性失墜は残念なことである。