国際捕鯨委員会の中間会合が6日から3日間の日程でロンドンで始まった。
中間会合は、5月にチリで開かれる年次総会に備え、捕鯨支持国と反捕鯨
国の対立で暗礁に乗り上げているIWCの正常化を図るのが狙い。グラン
ディ事務局長は、産経新聞に「対立状況を急に変えるのは難しいが、交渉
の糸口を探るため最大限努力する」と意欲を示した。また、同事務局長は
南極海で米環境保護団体シー・シェパードの抗議船から日本の調査捕鯨船
「日新丸」に薬品が投げ込まれ、3人が負傷した事件について、「航海中
の生命、財産を脅かすいかなる行動も許されない」とシー・シェパード
行為を非難した。クジラの保護や利用などを協議するIWCは現在、加盟
78カ国のうち捕鯨支持国と反捕鯨国の勢力が拮抗している。

 

我が国が珍しくタフネゴシエーションを展開しているのが、捕鯨問題であ
る。もともとクジラと言う資源を管理するための国際団体であった国際捕
鯨委員会は、いつの間にやら反捕鯨派の根城となってしまい、捕鯨国との
溝はますます広がるばかりである。反捕鯨国の中には今回我が国の調査捕
鯨船に妨害行為、さらには薬品を投げ込むなど暴力行為に及んだ環境テロ
集団「シー・シェパード」を支援している国すらある。負傷者が実際に出
ている中で、これらの集団を野放しにしておくことが反捕鯨国の正義なの
であろうか。IWCは現在、捕鯨推進派と反対派の勢力がほぼ二分し、と
もに調査捕鯨商業捕鯨に関する条約を改正するのに必要な4分の3以上
の賛成票を確保出来ない状況にある。機能不全に陥っているのは両者とも
に十分に分かっていることであろう。歩み寄りが必要な中、我が国の交渉
力が問われているのだ。