イージス艦「あたご」の衝突事故など相次ぐ不祥事を受け、海上自衛隊
8日、指揮官クラス以上の幹部を集めた緊急会議を東京・市谷の防衛省
開いた。指揮統率や隊員教育の問題点などについて意見交換し、不祥事の
根本的原因を探るのが目的。石破茂防衛相も途中に訪れ、「人は増えない
が、任務は増え責任も重くなっている。こうした中で、何が起きているの
か。こうすべきだということがあれば言ってほしい」などと訓示した。海
自では、あたごの事故だけでなく、イージス艦情報漏えい事件、インド洋
に派遣した補給艦の給油量取り違え・隠ぺい、航泊日誌の誤破棄、護衛艦
の火災などの不祥事が昨年から相次いでいる。 

 

組織としての弛みによるものなのか、精強、規律正しいと見られていた海
自衛隊では不祥事が相次いでいる。軍隊に対するアレルギーが強いとさ
れる我が国において、自衛隊の存在は公に認められているようで、認めら
れていないと言った不可思議な状態にあることもそうだが、官僚化した組
織は今回のイージス艦の衝突事故の際のように、緊急事態にも関わらず手
順をいちいち踏んで上に報告し続けていくと言う、縦割り行政の弊害も露
呈した。かつての旧帝国海軍も同じ国軍であるはずの陸軍とは非常に仲が
悪く、縄張り争いを繰り広げていた。今回の不祥事続きの原因が何処にあ
るのかをきちんと見極めた上で、真の意味で精強かつ規律正しい軍隊とな
らねばならないだろう。国民が自衛隊を見る目は相当に厳しいものとなっ
ているのであるから。