大阪府橋下徹知事は13日、30歳以下の若手職員330人を集めた初
の朝礼を行った。「府民のために大阪を変えよう」などと熱弁を振るった
が、女性職員が「知事は、職員と府民をバラバラにするようなことばかり
言っている」とその改革手法を批判する一幕もあった。若手職員に改革意
識を共有してもらう狙いで、知事は財政再建策などについて持論を語った。
ハプニングが起きたのは、その途中。当初、朝礼を始業前にしたいと思っ
ていたが、府幹部から「超過勤務手当がいる」と言われたエピソードを披
露した直後、突然、環境農林水産部の女性職員が立ち上がり、「(私たち
が)どれだけサービス残業をしていると思っているんですか。知事はきれ
いごとを言っているが、府庁を変えられるのは現場をわかっている職員だ
け」などと厳しい口調で不満を述べた。

 

橋下知事にとっては思わぬところで反論を受けた形となったようだ。箱モ
ノ行政の失敗や職員の厚遇体質で批判を浴びた大阪。最近では大阪を本社
としていた大企業の移転など、地盤沈下が着実に進みつつある中で、橋下
知事がどう府政を担っていくかが注目されている。喫緊の課題とされる財
政再建には、職員の協力、その協力とは特に給与のカットも含むのだろう
が、この女性の発言にあるように現場レベルで言えば、給与カットどころ
では無く、すでにサービス残業を強いられている現状を訴えたのであろう。
女性は「みんなが思っていることを言っただけ。職員に『声を上げよう』
と呼びかけたかった」としているが、確かに知事が一人で大阪府を変えら
れるわけがない。3億円近い収入があるとされた橋下知事が、その生活を
捨てて大阪府に乗り込んだのであるから、まずは手足となる職員をどう扱
っていくかが、その第一歩である。