大阪府橋下徹知事は18日、府議会の健康福祉常任委員会で、職員の勤
務時間中の喫煙を禁止する方針を示した。勤務中の全面禁煙実現のため、
条例で定められた休息時間そのものを廃止することも示唆した。公務員の
休息条例は国や大半の都道府県ですでに廃止されているが、喫煙の口実を
阻止するための廃止は異例で、6月の臨時議会にも条例改正を提案する意
向という。橋下知事は、全面禁煙にした場合、この休息時間を使って職員
が庁外に喫煙に出掛けるケースも考えられると指摘。「外に出て喫煙する
と1回に10分はかかる。府民の公務員に対する信頼を取り戻すためだ」
と強調した。休息条例はかつて国や自治体にも設けられていた制度だが、
昼の休憩時間延長など固定的に使われることに批判が集中。廃止が相次ぎ、
残っているのは大阪府のほか数県だけという。府庁には8カ所の個室型の
喫煙ルームがあるが、府の担当者は「府民も利用しているので、今後喫煙
ルームのあり方を検討したい」としている。

 

橋下知事は業務時間中の喫煙は府民から見ても、それはただの「サボり」
にしか映らないと判断したのであろう。そもそも、このような条例が未だ
にあったことの方が驚きだが、当然民間企業で休息時間に相当するような
制度はほとんどなく、条例そのものを廃止して差し支えは無いはずだ。そ
れでも必要だと言う職員には、その理由をきちんと説明させる場を設けれ
ば良いし、それに府民が納得するのであれば、存続する大義名分にはなる
だろう(おそらく明確な理由など無いだろうが)。これまで当然のように
あったものが無くなるとあっては、府職員の抵抗もそれなりに予想される
が、手をつけやすい既得権益でもある。何となく存続してきたものを廃止
したところで本来何ら問題無いはずが、一部の職員が抵抗を示せば橋下知
事には逆に幸いするのではないか。「勤務中の私語や煙草を一切認めない」
とまで啖呵を切った橋下知事にとって、職員が抵抗するのは当然との読み
もあるはずだ。財政が危機的状況にある中で、民間に比べて厚遇を言われ
る部分からメスを入れていく、少なくとも府民を味方にすることは出来る
のではなかろうか。後は職員の抵抗をどう撥ね退けるか、最大の難所はそ
こである。