韓国第18代総選挙は9日に投開票され、同日深夜にも大勢が判明する見
通しだ。保守系与党ハンナラ党過半数獲得を視野に入れる勢いだが、首
都圏の一部などでは進歩系最大野党、統合民主党と最後まで接戦を展開。
政策上の明確な争点はなく、低投票率になるとの観測もあるが、3―4割
に上るとみられる態度未定の浮動層の動向が波乱要因になる可能性もある。
定数299を争う同選挙は今年2月に発足した李明博政権への最初の審判
となる。改選前に少数与党だったハンナラ党議席を伸ばし、野党の抵抗
で省庁再編を進められない政策遂行に限界があった李政権が政権基盤を安
定させられるかどうかが焦点。統合民主党憲法改正の阻止に必要な10
議席の確保を目指す。

 

野党劣勢が伝えられるなか、統合民主党代表の孫鶴候補と、先の大統領選
李明博大統領と戦って敗れた鄭東泳候補はハンナラ党の候補相手に苦戦
を強いられており、首脳陣が落選すれば大統領選を前に結集し出来た統合
民主党そのものが、一気に崩壊する可能性すらある。大統領選では圧勝し
ハンナラ党も、党内の不和が表面化した上に脱党者が、ハンナラ党の候
補者の選挙区に立つなど、決して万全の体制とは言えない状況だ。それで
ハンナラ党の優位は動かないであろうが、順調な船出とはならなかった
李明博政権にとって、安定した政権運営が出来る過半数以上を押さえるの
は必須要件だ。革新政権に裏切られた感のある韓国民がどのような審判を
下すのか、注目したい。