上映中止が相次いだ映画「靖国 YASUKUNI」をめぐって、舞台と
なった靖国神社李纓監督や配給のアルゴ・ピクチャーズなどに対して映
像の削除を求める通知を送っていたことが、12日分かった。同神社のホ
ームページによると、境内での撮影許可手続きが守られていないだけでは
なく、その内容についても事実を誤認させるような映像が含まれているこ
とから、問題映像の削除など適切な対応を求める通知を行った、としてい
る。また、映画の中心となって登場する刀匠が高知県在住であることから、
5月末に上映を計画していた高知市の映画館では、アルゴ・ピクチャーズ
からの「刀匠に配慮して配給を見合わせたい」という申し入れを受け、当
面上映しないことを決めた。

 

この映画を撮影した監督は上映中止の圧力があったのでは、と会見してい
るようだが、映画に登場する刀匠は「上映を了承したとは一言も言ってい
ない。出演場面と名前を映画から削ってほしい」と話しており、肖像権の
点でも問題が出てきている。内容を観ずに反発するのは言語道断であるが、
表現の自由と言うものが無制限に尊重されるかと言えば、決してそうでは
ないであろう。一部の右翼団体が公開を予定していた映画館に街宣活動を
行なわれたが、複数の右翼団体の代表者らが発起人となり、東京都内で右
翼活動家向けの試写会をすることが決まっている。右翼団体の抗議活動が
上映中止の原因というイメージの解消を図るとの理由らしいが、それも何
だか的外れな感がある。それにしても靖国神社からは境内での撮影許可手
続きが守られていないとのクレームまでつき、次から次へとトラブルのつ
きない映画であることだな・・・