長野市で26日に行われる北京五輪聖火リレーは、警備の都合が最優先さ
れ、出発式、到着式の両会場から一般市民はシャットアウトされる。五輪
選手ら著名人の聖火ランナーが走る区間も一部は公表されない見通し。市
民からは「これじゃあ聖火護送」という声も上がっている。新たな出発式
会場の県勤労者福祉センター跡地は、舗装部分だけで約1800平方メー
トル。辞退した善光寺会場の2倍程度の広さだが、市実行委員会は「混乱
を避けるため」と、関係者以外の立ち入りを禁止。聖火のトーチ点火を市
民が見ることはできない。会場前の県道は、車道と会場側の歩道が通行止
め。反対側の歩道も、県警は「支障があるような場合は規制もありうる」。
そうなると、市民の声援は第1走者に届かない。

 

事なかれ主義ここに極まれり、と言ったところであろうか。混乱を避ける
ためと言う名目で、一般市民を締め出した上、聖火ランナーが走る区間
警察が脇を固めて妨害に対して備えている。歩道からは聖火ランナーを見
ることすら難しいのではないか。まったくもって何のための聖火リレー
のか、とりあえず何も大事が起きなければ良いとの魂胆が見え見えだ。我
が国でも他国のような抗議や妨害が起きれば、中国の強い反発が予想され、
そのための配慮なのであろうが、市民の「これじゃあ聖火護送」との声も
当然だ。五輪は平和の祭典のはずが、このような厳戒態勢で臨まなければ
ならないのでは話にならない。いよいよ26日、これまでの聖火リレー
見ていると、何事も起きない方がおかしい。もはやそんな雰囲気に長野市
が包まれつつある。