22日に投開票された米大統領選挙のペンシルベニア州予備選挙の出口調
査から、民主党ではヒラリー・クリントン上院議員オバマ上院議員の長
期戦により党内亀裂が深刻になっていることが分かった。同州予備選挙
クリントン氏に投票した人のうち、最終的にオバマ氏が民主党候補に確定
して11月の本選挙で共和党のマケイン上院議員と対決する場合、26%
がマケイン氏に投票し、17%が棄権すると回答。またオバマ氏に投票し
た人のうち、クリントン氏が民主党候補としてマケイン氏と対戦する場合、
16%がマケイン氏に投票し、13%が棄権すると回答した。ニューヨー
クタイムズは、クリントン氏とオバマ氏の決着がつかず、両者が中傷合戦
を激化させているため党内結束が損なわれ、両者のイメージも傷ついて、
共和党のマケイン氏に関心が移っていると指摘した。このほか出口調査
は、白人の62%がクリントン氏を、黒人の89%がオバマ氏を支持し、
これまでより同じ人種を選ぶ傾向がみられた。クリントン氏は女性や高齢
者、労働者層に強く、オバマ氏は都市部や高学歴層の支持が厚かった。

 

デッドヒートが続く民主党の大統領選候補の指名争い。まだ続いていたの
かと言う感じだが、接戦でなおかつ長期戦になればなるほど両者の支援者
間の対立は深まることは至極当然であろう。早々に候補が確定した共和党
にとっては、大きなアドバンテージとなるのは間違いない。大票田と呼ば
れる地域では、オバマ候補はクリントン候補に苦杯をなめさせられており、
それ以外の地域ではオバマ氏が勝利を収め続けている。両者の中傷合戦の
激化は、候補が確定した後の和解を著しく難しいものとし、一致して共和
党と対峙するとはいかなくなるのだ。ブッシュ大統領の支持率低下に伴い、
2年前の中間選挙では民主党が両院の過半数を押さえ、さぁ大統領もと言
う勢いは確かにあったが、その勢いが強すぎたとも言えそうだ。ここまで
の激戦となることは予想だに出来ず、決着がつきそうになると揺り戻しが
起き、戦いが継続する。どちらが選ばれても初物尽くしの選挙戦であるが、
本選には大きな影響を与える結末となりそうである。