チベット仏教最高指導者のダライ・ラマ14世は26日、中国政府がダラ
イ・ラマ側と接触する意向を示したことを歓迎、「チベットの人々の怒り
をどう和らげるかについて真剣な話し合いを望む」と述べた。ダライ・ラ
マは同日、訪問先の米国から亡命政府のあるインド・ダラムサラに帰任。
現地からの報道によると、ダライ・ラマは記者団に対し、「接触」につい
て詳しい情報は得ていないと説明。国際社会の懸念を緩和するためだけに
行われるならば「無意味だ」と指摘した。 

 

チベットの動乱は当初中国が隠蔽しようと試みたように、多くの少数民族
を抱える中国にとっては、最も触れて欲しくないところであった。特に人
権と言う錦の御旗を掲げて、欧米各国がこれに干渉してくるとなると、無
視をし続けるわけにはいかない。何故、チベットの人々が中国政府に対し
て憤っているのか、一つの例を挙げるとすればチベット仏教への弾圧であ
ろう。輪廻転生を続けるとされるチベットの高僧が転生する際、政府の許
可なしの転生は認めないと言う、土足で踏みにじるようなことをしている。
経済的に豊かになっても文化や宗教が次々に破壊されていく、チベット
人々が望むこととはかけ離れた政策を行い、反感を買う。亡命政府との接
触で少しは問題が解決すると良いのだが。