ロシアのメドベージェフ第一副首相が7日、クレムリンで宣誓し、新大統
領に就任した。ロシアの大統領交代は8年ぶりで、エリツィンプーチン
両氏に続く3代目。任期は4年。新大統領は同日、プーチン前大統領を首
相候補に指名、下院が8日に承認する予定だ。プーチン氏は新体制でも強
い権力を維持することになる。メドベージェフ新大統領は宣誓後の演説で
「国の繁栄と国民の安全確保のために全力を尽くす」と表明した。「今後
プーチン氏の支持に期待している」とも語り、国民の人気の高い前大統
領と協力して政権を運営する考えを示した。プーチン氏は7日、政権与党
統一ロシアの党首にも就任した。首相承認を前にプーチン氏は組閣に入
っており、新閣僚の顔ぶれに注目が集まっている。

 

42歳と言う若き大統領が誕生したロシア。資源価格の高騰に乗り、再び
ロシアが大国として復権させつつある中で、強力な指導者として国民的人
気のあったプーチン氏が首相に就任予定で、さらには下院の7割を押さえ
る政党「統一ロシア」の党首に就くとあっては、2重権力による双頭体制
と呼ばれるのも当然であろう。統一ロシアが単独でも大統領を弾劾出来る
議席を確保している以上、メドベージェフ新大統領はプーチン首相をそう
簡単には反故に出来ないのだ。むろん、それだけに新体制は双頭でなけれ
ばならないとも言える。ロシアでは大統領の3選が禁じられているが、こ
の体制はプーチン王朝を継続させていくことに大いに役立つであろう。メ
ディアの統制も強め、旧ソ連時代に先祖返りしつつが感もあるロシア、い
ずれにしても新体制がもたらす影響は大きいだろう。