中国南部・広東省の地元紙「南方都市報」は9日、同省広州市で7日に北
京五輪聖火リレーが行われた際、沿道の草木が踏み倒され、ゴミが散乱す
るなど、観衆の悪質な行為があったと伝えた。中国国内の聖火リレーは、
チベット暴動鎮圧に抗議して妨害行為が相次いだ海外と異なり、管理され
た「愛国主義」による祝賀ムード一色の中で展開されているが、マナーの
悪さまでは完全に統制できないようだ。同紙によると、観衆の中には、鉄
柵を曲げて植え込みに入り、草を踏み倒し、沿道の木に登る者が相次いだ。
リレー終了後は、辺り一面に、折れた苗木の小枝や、声援を送る際に使っ
た無数の紙製の中国国旗、ゴミなどが散乱。翌日、わずか100メートル
の距離で集めたゴミは車2台分になった。

 

チョモランマでの聖火リレーも無事に終えたわけだが、アルピニストの野
健さんがチョモランマの清掃登山を拒否されたのも記憶に新しい。果た
して中国の聖火リレー隊はどの程度のゴミを残してきたのであろうか、国
家の威信にかけたものとは言え、何のために危険を冒してまでチョモラン
マまで聖火を運ばねばならなかったのか。もはや平和とスポーツの祭典な
どと言う言葉は置き去りにされ、中国による中国のための五輪でしかない
のだ。聖火リレーが終了後にゴミが散乱した広州市の例からも明らかなよ
うに、マナーの悪さは目を覆うばかりだ。これが実際の競技の観戦になっ
た時にどうなるのか。競技が終わった後のスタジアムや沿道がゴミまみれ
になっているのを目にしたくないはないものだ。