中国・四川大地震の被災地で救助活動をしている日本政府の国際緊急援助
隊は17日、最初の活動地点である四川省青川県で徹夜の作業を続けた。
女性と乳児の親子の遺体を発見したが、生存者の救出には至っていない。
同日には第2陣が合流する。地震発生からすでに5日が過ぎており、救助
活動は難航している。援助隊の第1陣31人は青川県喬荘鎮のビル倒壊現
場で、16日夕からがれきの下敷きになった被災者の捜索を続けた。3チ
ームに分けて2時間交代で作業した結果、17日朝、出産のため里帰りし
ていた女性が生後2カ月の女児を抱きかかえるように倒れて死亡している
のが見つかった。団長の小泉崇外務省国際緊急援助室長は記者団に「遺族
からお礼の言葉をいただいた。こちらからはお悔やみを申し上げた」と語
った。この現場に生存者が残っている可能性は小さいため、救助隊は中国
側と協議のうえ、青川県から南西に約100キロメートルの北川県に移動
することを決めた。

 

我が国の援助隊が派遣されたことによって、中国国内のインターネット上
では、「中日友好! 生存の希望が出てきたぞ」「歴史の一点でとどまら
ず、力強い援助に感謝しよう」「災害救助の技術は高いはず。これを機に
見習うべきだ」などと感謝する書き込みが急増しているとのことだが、数
十人規模の救助隊が状況を一変するような働きをするのは、現実的には難
しいであろう。すでに地震発生から5日が経過しており、生き埋めになっ
ていると思われる被災者の体力は限界に達しているはずだ。そう言った意
味でも、現地の人が我が国の救助隊に過剰な期待を寄せるのも、わからな
いでもない。地震発生後、すぐの要請であったのならと悔やまれる部分も
ある。それにしても、昼夜を問わず生存者救出の活動を続ける救助隊には
頭が下がるばかりだ。派遣によって中国人の対日感情が改善したとの報道
もあったが、この大震災を契機に中国でも地震対策を我が国から学ぶべき
ではなかろうか。むろん、我が国の地震対策も万全とは言えない、学ぶべ
きところはお互いに学ぶべきだろうが。