米政府が17日、来月から1年にわたり北朝鮮に50万トンの食糧を支援
することにしたと発表した。05年末に中断された米国の北朝鮮食糧支援
が約2年半ぶりに全面再開されることになり、北朝鮮の核開発計画申告も
今月中に進展が予想されることから、米朝和解ムードの盛り上がりが期待
される。米国際開発局は同日に出した声明で、北朝鮮が深刻な食糧不足に
直面していることを米国側に説明し、両国が北朝鮮への食糧支援再開プロ
グラムの基準などについて合意に達したと明らかにした。米国は世界食糧
計画を通じ約40万トン、米国の非政府組織を通じ10万トンの合計50
万トンの食糧を、北朝鮮に6月から1年間提供する計画だとした。

 

傍から見ている限りでは、一向に進展の見られない北朝鮮の核開発計画の
申告も、多少は前進していたようだ。我が国が最も恐れていたテロ支援国
家指定の解除は無かったものの、政権末期のブッシュ大統領が安易な妥協
をすれば、日米関係にも大きな禍根を残すことになるであろう。それだけ
に今回の食糧支援の全面再開も和解ムードを演出するためのものであるな
ら、注意が必要である。食糧支援を受ける割には、北朝鮮は中国・四川大
地震の被害復旧を支援するため、10万ドルの資金を提供しており、経済
面で依存を強める中国への配慮を忘れていない。深刻な食糧不足であるの
なら、例え10万ドルであれ必要なはずでないか。その辺を考えた上での
行動にしては、あまりに軽挙である。