中国・四川大地震で日本政府が派遣した医療チームの田尻和宏団長は21
日深夜、当初想定していた被災地入りを断念し、成都市内の四川大学付属
華西病院で22日から活動を行うことを明らかにした。活動場所の選定で
は、中国側が成都市第一人民病院を指定してきたのに対し、医療チームは
被災地入りを強く希望。双方の隔たりが埋まらず、成都入りからほぼ丸1
日たって活動場所がようやく決まった。田尻団長は「第一人民病院と違い、
(華西病院には)被災地からの患者搬入がどんどん続いている」と指摘。
救急車から担ぎ出された時点で直ちに応急治療を施すなど、日本隊が持つ
ノウハウを発揮できると説明した。 

 

またしても貴重な時間が浪費されてしまった感がある。もちろん中国側に
も色々な事情があるのであろうが、受け入れを決めた以上は医療チームが
力を発揮出来るところに投入してもらわねばなるまい。もともと我が国の
医療チームが想定していたのは、診療施設がなく医師がいない被災地にい
わゆる野戦病院のようなものを設置して、治療を施すことであった。その
ために簡易エックス線検査や応急外科手術などの装備を整え、中国までや
ってきたのだが、活動場所となる華西病院には最新の設備もあり、医療チ
ームが想定していた活動とは程遠い。ただ、被災地から患者の搬入が続い
ていると言う状況に変わりは無く、医療チームが十分に力を発揮出来るこ
とは間違いないであろう。