米大統領選挙の民主党指名候補獲得を確実にしているオバマ上院議員は2
日、3日のモンタナ、サウスダコタ両州予備選挙で予備選・党員集会の全
日程が終了するのを受け、選挙戦を争ったヒラリー・クリントン上院議員
に会談を申し入れたことを明らかにした。共和党のマケイン上院議員と争
う11月の本選挙に向け、クリントン氏から協力を取り付けて指名候補選
びで二分された党内の結束を図りたい考えだ。オバマ氏は2日、記者団に
「党をできるだけ早く結束させれば、マケイン氏との戦いに集中でき、民
主党の政権奪回につながる」と述べた。クリントン氏が会談に応じるかは
不透明だが、両氏とも4日にワシントン市内に滞在する日程を組んでいる。

 

熾烈な選挙戦の果てに両者が手を携えることが出来るのか、民主党にとっ
てはそこが最大の課題であろう。予備選はあくまで党内の候補者を決める
ためのものに過ぎないが、肝心の本選票で票が割れるようでは勝利は覚束
無い。それだけに民主党の首脳部も、予備選敗色濃厚のヒラリー候補には
敗北宣言を早急にしてもらいたいところであろうが、オバマ候補が白人層
には浸透しているとは言い難い状況を見て、未だに敗北を認めようとはし
ていない。だが、最後の予備選となる3日のモンタナ、サウスダコタ両州
では、まだ態度を明らかにしていない特別代議員200人のうち、20人
余りがオバマ候補に回れば、オバマ候補は過半数に到達して、指名を確定
させる見通しとなっており、いよいよ最終局面は近い。そのための地固め
として、オバマ候補はクリントン候補に会談を申し入れ、挙党一致で本選
を戦う所存なのだろう。残った禍根は大きいが、共和党のマケイン候補に
勝つには、方法はそれしかあるまい。分断されたまま党が戦えるほど、本
選は甘くないのだから。