民主党ヒラリー・クリントン上院議員は7日、首都ワシントンで集会
を開き大統領選からの撤退を表明、大統領候補に確定したオバマ上院議員
への支持を打ち出し自らの支持者に結束を呼びかける。クリントン陣営が
4日、声明で明らかにした。共和党候補に確定したマケイン上院議員に1
1月の本選挙で勝利するため、選挙戦の正式な終結を急ぐ必要があると判
断した。一方、米大統領選で民主党候補に確定したオバマ上院議員は4日、
ケネディ元大統領の娘であるキャロラインさんら3人で構成する委員会を
つくり、副大統領候補の絞り込みに着手した。副大統領候補に関心を持ち、
去就が注目されるヒラリー・クリントン上院議員とは立ち話を交わし、記
者団に「数週間以内にクリントン氏と会談する」と明らかにした。

 

長きに渡った民主党の大統領候補予備選。予備選の前半はクリントン候補
が優位に戦いを進めていたものの、中盤からオバマ候補が代議員数が少な
い州で連勝を続け代議員数を積み重ねていった。クリントン候補有利とさ
れた大票田と言われる州でも惜敗に抑え、獲得票数によって代議員数を比
例配分する民主党の方式を有効に活用した。共和党は早々にマケイン候補
で一本化出来たため、民主党より早く本選へ向けての活動が出来ており、
オバマ候補、クリントン候補の激闘の果てに、民主党が二分されたのでは、
再び共和党に敗北を喫する可能性が生じてくる。さらに気になるのは、経
験不足の批判を勢いや演説の巧みさで補ってきたはずのオバマ候補に、一
時期の勢いが見られないと言うことである。長い選挙戦のために、その輝
きも色あせてきたと言うのであろうか。予備選を終えた民主党は結束を固
めると言う大きな宿題を残した。果たしてオバマ候補とクリントン候補の
タッグが結成されるか、注目したい。