衆院は12日午後の本会議で、福田内閣信任決議を与党の賛成多数で可決
した。これに対し、民主、社民、国民新の野党3党は、福田康夫首相が参
院で可決された首相問責決議を無視したことに反発して本会議を欠席。共
産党だけが出席して反対した。与党は、東南アジア諸国連合との経済連携
協定などの自然承認を図るため、13日の衆院本会議で会期を21日まで
6日間延長することを議決する。しかし、共産党を除く野党3党は一切の
審議に応じない方針のため、今国会は午後の衆院本会議を最後に、法案審
議が行われないまま閉幕する異例の展開となりそうだ。内閣信任決議は、
野党が多数を占める参院で11日に首相問責決議が可決されたことに対抗
するため、与党が提案した。内閣信任決議は92年の宮沢内閣以来2例目。 

 

民主党の提出した参院での福田首相への問責決議案と同様に、この福田内
閣信任決議もただのパフォーマンスに過ぎない。与野党ともに国会会期の
締めにとんだ茶番を演じたものだ。衆参のねじれがここまでの政治の停滞
をもたらすとは、失った時間はあまりに大きい。参院第一党となった民主
党が政権交代を果たそうと、福田政権に揺さぶりをかけ続けてきたが、総
辞職、解散にも追い込めずに通常国会は幕を下ろす。一方の与党も一時は
サミット後に内閣改造を行い、そのまま解散総選挙に持ち込んで過半数
維持を目論む、との見方もあったが、福田政権が低支持率から脱却出来ず
とても福田首相では戦えないと言うムードが蔓延している。与野党が手詰
まりになってきた中で、それは同時に国会の停滞となるのでは困るのだ。
国民の信を問うべきなのは間違い無いが、与野党ともに難しい選択を迫ら
れている。