岩手・宮城内陸地震で、自衛隊や警察、消防などは19日午後、被災現場
で雨が降り始めたことに加え、夕方以降も雨が予想されることから、宮城
栗原市内での行方不明者の捜索作業をすべて中断した。20日早朝から、
同規模の態勢で捜索を再開する方針だが、同日午後は現場周辺は雷雨との
予報もあり、慎重に作業を進める。自衛隊などは19日早朝から、新たな
土砂崩れなどの二次災害を警戒しながら、従業員2人が依然行方不明の同
市内の温泉宿など計6カ所で捜索を実施したが、同日午後4時前にはすべ
ての作業現場で捜索を中断した。仙台管区気象台は、被災地周辺に大雨注
意報を発令してがけ崩れなどの警戒を呼び掛けた。

 

山の形が変わってしまうほどの土砂崩れが発生し、地震の力が如何に大き
かったかを嫌でも知らしめた。発生した時期が梅雨時であったことも災い
し、地震で緩んだ地盤が雨で再び崩れる可能性が出てきた。山間部で起き
地震だけに、このような二次災害が起きるのは避けられないにせよ、我
が国は国土の大半が山林を占め、別の山間部でも同様の事態が起こると考
えねばなるまい。林業に携わる人が減り、山に人の手が入らず荒廃してい
く現状が、より多くの被害をもたらすことも十分に考えられる。都市部で
起きなかったため、たいていの人は関心を抱かないことかもしれないが、
国土が荒廃することが良いことであるはずが無いのだ。