政府がクラスター爆弾禁止条約に同意したことを受け、防衛省は代替措置
として新型クラスター爆弾など新たな装備品調達を来年度から始める方針
を固めた。クラスター爆弾は、内蔵する数個から数百個の子弾を広範囲に
散布する爆弾で、海岸線の長い日本の防衛には有効な兵器とされてきた。
一方で不発弾も多く、戦闘終結後に民間人が被害に遭うことが多いことか
ら、同条約で製造と使用が禁止されることになった。新型クラスター爆弾
は子弾が10個未満と少ないことに加え、子弾が自己破壊機能を備え、不
発弾になりにくいことなどから禁止条約の対象外となっている。防衛省
〈1〉多連装ロケットシステムに搭載されているクラスター爆弾を新型ク
ラスター爆弾などに換える〈2〉陸自ヘリコプターなどに搭載しているク
ラスター爆弾を単弾頭爆弾に換えるなど、5、6通りの代替措置を組み合
わせた配備計画を作り、来年度概算要求で予算要求する方針だ。

 

我が国でクラスター爆弾が使用される状況とは、もはや敵軍に上陸されて
しまった事態を意味する。長い海岸線を持つ我が国は、敵軍にとっては上
陸地点の候補がそれだけ多いと言うことだ。これを防ぐには洋上で上陸を
企図する敵軍に可能な限りの打撃を与えねばなるまいが、当然ここでクラ
スター爆弾を使用するわけではない。クラスター爆弾は基本的には対人兵
器であって、対艦能力は皆無であろう。つまり上陸をされたと言うことは、
制海権、制空権を奪われた状態であって、我が国としては戦況が非常に厳
しいことを意味する。そのような状況下で最大限に力を発揮するのは、何
クラスター爆弾だけではなかろう。水際での防御を考える前に、上陸前
に徹底的に叩けるような兵器に力を入れるべきではないか。素人考えだけ
に、防衛省自衛隊の現場からすれば的外れな意見かもしれないが、山と
山の間に平地があるような国土で、機動力を駆使して敵地上軍と戦えるほ
ど、自衛隊も万能ではないはずだ。