中国産ウナギかば焼きを国産の「一色産」に偽装した事件で、兵庫、徳島
両県警の合同捜査本部は3日午前、水産業界最大手の「マルハニチロホー
ルディングス」子会社の水産物卸売業「神港魚類」本社など7都府県の計
26か所を不正競争防止法違反の容疑で一斉捜索に着手した。今後、押収
した資料を分析し、架空会社や取引業者が複雑に絡む事件の全容解明を進
め、関係者の同容疑での立件を目指す。他の捜索先は、元役員が箱の詰め
替えなどを行ったとされる高松市水産物卸販売会社や、魚秀の親会社「
徳島魚市場」、関係者の自宅など。捜索は午前9時過ぎから計約130人
態勢で始まった。直接の捜索容疑は、魚秀と神港魚類は4月5日〜6月1
3日の間、中国産ウナギのかば焼きのパックに、架空会社「一色フード」
が製造した愛知県三河一色産とするラベルを張り付けて国産と偽造し、神
戸市内の仲卸業者など3業者に計約3・6トンを販売したとされる。

 

冷凍餃子の中毒問題で、中国産がどれも危険であるとの認識が広がる中で、
中国産と表示していてはとても売れないと思ったのか、今度はウナギのか
ば焼きの産地偽装が発覚した。架空会社や取引業者が複雑に絡む事件だけ
に、組織的な偽装であることは間違いないであろう。偽装を行い、それが
発覚すれば全てを失う結果となる。ミートホープの例からも明らかなよう
に、一時的には高い利益を出すことも可能かもしれないが、発覚した際の
リスクは明らかではないか。それでも偽装に手を染めてしまうのは、いっ
たいどのような理由からなのであろう。消費者の国産信仰と言う面も否定
は出来ないが、だからと言って産地を偽装して良い理由にはなるまい。こ
のような事態が続けば、いずれどの商品も偽装が行われているのではない
か、との疑惑を呼ぶことになりかねない。偽装はリスクが高いことを今一
度業者は知るべきだ。偽装が発覚し続ける状況はあまりに悲しすぎる。