4日午前5時25分ごろ、尖閣諸島魚釣島の南西約22キロの領海線付
近で、石垣海上保安部所属の巡視船「はてるま」が、台湾海洋調査船「海
研1号」が日本領海内に侵入したのを発見した。調査船は約3時間後の午
前8時20分ごろ、同島の北約29キロの海域で日本領海外に出た。第1
1管区海上保安本部によると、巡視船が無線で航行目的を確認したところ、
「海水の採取を行いたい」との回答があった。巡視船は調査船に対し、事
前に日本側の同意を得ていない領海内の調査行為は認められないと注意喚
起したが、応答はなかったという。 

 

台湾総統選の結果、政権交代が起こり民進党から国民党政権に変わった途
端に、尖閣諸島の領有権を声高に主張し始め、前政権より対日関係が悪化
しそうなのは間違いないだろう。台湾の海洋調査船が領海を侵犯し、それ
を巡視船が注意喚起で済ませてしまったのは、如何なものだろうか。尖閣
諸島は中国も同様に領有権を主張し、我が国としても絶対に譲れないとこ
ろである。その割には尖閣諸島に対する我が国の姿勢は、いささか軽いも
のだと言わざるを得ない。領海まで侵犯されていながら、調査船を悠々と
通してしまったのでは、尖閣諸島に関心が薄いと誤ったメッセージを送り
かねないのではないか。台湾・中国の急接近にも大いに注意を払わなけれ
ばなるまい、領土問題で譲ることは絶対に出来ないのだ。