米国で銃器所持の権利擁護を掲げる有力ロビー団体全米ライフル協会
が、民主党の大統領候補に確定したオバマ上院議員への包囲を強めている。
首都ワシントンの銃規制に「違憲判決」を下した連邦最高裁の新たな憲法
解釈に勢いを得たもので、銃規制問題でオバマ氏を危険とみたNRAは、
巨額の資金を投じた批判キャンペーンや、同氏の地元シカゴの周辺で自治
体の銃規制を片端から覆す法廷闘争に打って出た。

 

米国らしいと言えば米国らしい展開となってきたようだ。強力なロビー団
体であるNRAがオバマ氏へのネガティブキャンペーンに乗り出してくる
となると、本選にそれなりの影響を与えることになるのではないか。11
月の本選に向けた政治活動に4000万ドルを投じ、うち1500万ドル
を、銃器所持に対するオバマ氏の主張を批判する宣伝活動にあてるとして
いる。オバマ氏の地元シカゴでは、約26年にわたり拳銃の所持が厳しく
規制されていたこともあって、攻勢の目標となるのも当然であろう。オバ
マ氏は共和党のマケイン氏だけを相手にしていれば良い状況では無くなっ
たのだが、銃器所持は米国の抱えてきた大きな問題である。圧力に屈して
問題を先送りにするのか、オバマ氏は難しい立場に立たたされた。