福田首相は9日、北海道洞爺湖サミットの閉幕を受け、社会保障改革など
に取り組む態勢を強化し、政権浮揚を図る狙いから、内閣改造の検討に入
った。時期は今月末から8月初旬を想定している。与党内には改造に否定
的な意見もあるため、情勢を慎重に見極めて最終判断する考えだ。首相は、
政府の社会保障国民会議が今秋に年金・医療・介護に関する最終報告を行
うことから、社会保障改革を進める態勢の見直しを視野に入れている。ま
た、公務員制度改革、税制改革なども加速させたい考えで、8月下旬にも
召集される臨時国会に新体制で臨むことが望ましいとの判断を強めつつあ
る。首相周辺は「7月下旬にも、首相自身が、各政策の進み具合と、各閣
僚の取り組みを総点検し、今後の態勢を考える」との見方を示している。

 

予想通り浮上したサミット終了後の内閣改造。当たり障りなく議長役をこ
なして、何やら物足りぬままサミットは終了してしまった気がしないでも
ない。そんな中で内閣改造をして、果たして政権浮揚となるのであろうか。
安倍改造内閣をほぼそのまま引き継ぎ、野党の攻勢にさらされながらも、
何とか通常国会の会期を乗り切ったことで、党内からは敢えて内閣改造
ずに現体制のままで行くべきとの意見も出てきている。無理に福田カラー
を出そうとしても、派閥の論理で誕生した政権だけに、派閥推薦の閣僚を
受け入れる必要も出てくるであろうし、新閣僚が何かスキャンダルを抱え
ている可能性もある。そうなると福田政権はもはや回復不可能の致命傷を
被ることとなる。単に顔ぶれを変えるだけでは済まないだけに、福田首相
としても苦しい決断を迫られることになった。