福田康夫首相は15日、政権発足以来初となる内閣改造を28日にも行う
方針を固めた。議長を務めた主要国首脳会議を終え、政策遂行上の一区切
りがついたことや、今後も与党への影響力を保持する上でも、人事権を行
使するのが得策と判断した。8月下旬に臨時国会を召集する予定であるこ
とも踏まえた判断だ。内閣改造をめぐってはこれまでも、今年1月や4月
などで与党内から期待の声が上がったが、首相は「政策の継続」を重視し、
安倍改造内閣で任命された閣僚のほとんどを使い続けてきた。しかし、サ
ミットが終わったのを機に、与党からは内閣改造を求める声が沸騰。首相
自身は、改造には慎重だったが、与党からの圧力もあり、改造で首相の影
響力を示すのが得策と判断したもようだ。

 

結局は政治的判断に基いて内閣改造が行われるようだ。確かに安倍改造内
閣をほぼ居抜きのまま引き継いだため、閣僚ポストを望む派閥の圧力もあ
り、一応目の前の仕事は片付いたタイミングでの改造と言うわけだ。もと
もと安倍改造内閣を居抜きで引き継いだのは、衆参ねじれの打開策として
民主党との大連立構想があったためと言われている。それが民主党内での
混乱もあってご破算となり、もはや大連立は過去の話となった。低空飛行
を続けている支持率も、改造後のご祝儀相場で多少なりとも上昇する可能
性はあるが、果たしてそれが取らぬ狸の皮算用とならなければ良いのだが、
と多少心配にならないでもない。それでも人事権を行使して、与党への影
響力を保たねばならないとは、与党内からも福田降ろしの動きはそれなり
に出てきていると言ったところか。