日本人選手の大リーグ進出のパイオニアとなり、日本と大リーグで通算2
01勝(155敗)を挙げた野茂英雄投手が現役引退の決意を固めたこと
が17日、分かった。今年4月にロイヤルズを自由契約となった後も獲得
に乗り出す球団はなく、“トルネード”はついにマウンドを降りる。ロサ
ンゼルスでメジャー復帰に向けたトレーニングを続けていた野茂は、17
日昼ごろ、自身が設立した社会人チーム「NOMOベースボールクラブ」
清水信英監督に電話を入れ、「引退することになりました」と伝えた。
野茂は共同通信の取材に「まだまだやりたい気持ちは強いが、プロ野球
手としてお客さんに見せるパフォーマンスは出せないと思う」と、現役か
ら退く決意を語った。

 

文字通り、自らの力で大リーグへ挑戦し、日本人選手の力を本場米国で見
せつけた野茂選手。「トルネード投法」で鮮烈なメジャーデビューを飾っ
たのは1995年、それから13年の年月が流れ、野茂選手らしく淡々と
引退を表明した。今でこそ日本人選手が大リーグで活躍する姿を当り前の
ように見られるが、野茂選手の活躍があったからこそ、この後に続いたイ
チロー選手や松井選手のような日本人選手が大リーグへとすんなりと挑戦
する環境が出来たのである。気になるのは引退後となるわけだが、現役時
代からも「NOMOベースボールクラブ」や米国の独立リーグ球団のオー
ナーとなり、「野球を続けたい選手」の受け皿を作り続けており、今後は
裏から野球界を支えるような存在となっていくのかもしれない。いずれに
せよ、大リーグへの道を切り拓いたその功績は計り知れない、野茂選手お
疲れ様でした。