「次期衆院選で政権を奪取できなければ、民主党は未来永劫政権を取れな
い可能性がある」。民主党鳩山由紀夫幹事長は17日の名古屋市での講
演で、小沢一郎代表が民主党の若手議員や候補の選挙に向けた活動不足に
強い危機感を示し、全力を挙げる必要性を訴えたと明らかにした。鳩山氏
によると、小沢氏は16日夜の会食の席で「若い候補者は勝てなくても次
の次があると思っている節がある」と懸念を表明した。また、支持者回り
の重要性を訴え、鳩山氏に「ハッパを掛けてほしい」と促したという。

 

小沢代表が大連立構想に失敗し、辞意を表明した際にも「民主党には、政
権担当能力が乏しい」とさえ言い切り、今回の民主党は次期衆院選で政権
奪取が難しいとの見方に通じるものがある。どれだけ汗をかいたかによっ
て、当落が決まるのが選挙なので、代表だけがいくら頑張って結局は本人
次第なのだと、予防線を張ったとも言えるだろう。確かに民主党が絶対優
位とされる次期衆院選で万が一にも勝ち切れずに、自公両党に過半数を握
られた場合のダメージは大きいだろう。与党は一応の信認を得たとして、
野党の攻勢をかわすきっかけを掴むことになる。そうならないためにも、
小沢代表が全力を挙げるよう危機感を表明しているわけだが、これまでの
民主党の選挙は結局のところ風頼みであったと思われないよう、泥臭いま
での活動が必要なのであろう。