中国製冷凍ギョーザ中毒事件に絡み、中国外務省は6日、報道官談話を発
表、製造元の「天洋食品」が事件後に回収したギョーザが中国国内で流通
し、6月中旬、有機リン系殺虫剤メタミドホスによる被害が出ていたこと
を初めて公式に認めた。「中国国内で同社製品にメタミドホスが混入した
可能性は極めて低い」とする従来の主張を転換する内容。これを受け警察
庁は北京五輪閉幕後にも、中国で中毒を引き起こしたギョーザの鑑定結果
など捜査状況の説明を求め、日本の事件との関連性を確認する方針だ。こ
の日の談話は「中国政府はこれを極めて重視し、公安部門が全力で捜査中」
とした。日本の報道を受けた迅速な対応で、事件解決に前向きな姿勢を示
す狙いがあるとみられる。

 

動かぬ証拠が出ていながらも我が国に情報を伝えなかったのかと思えば、
一応我が国には伝えていたようだ。ただ、事実関係を公表しなかった理由
について高村外相は「中国政府が通報してきた際、『捜査の途中経過なの
で公表しないでほしい』と言ってきた」と述べ、中国側の要請があったこ
とを明らかにしている。「情報提供者が公表しないでほしいと言っている
以上、公表しないのは情報の世界の大原則だ」と強調しているものの、実
際に我が国は中毒者まで出している。そのようなことがあったにも関わら
ず、公表しなかったのは大きな問題ではないか。こちらが被害を受けたと
言うのに中国側に過剰な配慮をするのは如何なものか。少なくとも北京五
輪の期間中は、そのようなネガティブな事件が進展するとはとうてい思え
ず、その後も本気で中国側が捜査するかは疑問である。