中国初開催のオリンピック、北京五輪の開会式が8日夜、メーン会場の国
家体育場で盛大に行われた。開会式では「美しいオリンピック」をテーマ
に中国古代からの歴史、未来への夢を壮大かつ色彩豊かに表現。電光掲示
によるカウントダウンを終え、午後8時に花火が夜空を彩り、「平和の祭
典」の幕開けを告げた。中国の有名な歌手、劉歓と美しい歌声で世界的に
知られる英国のサラ・ブライトマンがテーマ曲を熱唱し、盛り上げた。入
場行進では、紺のジャケットと白のパンツに身を包んだ日本選手団はイス
ラエルに続く23番目に登場。旗手で卓球女子の福原愛を先頭に、ソフト
ボールの上野由岐子らがリラックスした様子で笑顔を振りまいた。 

 

中国が国家の威信をかけて臨む北京五輪がついに開幕した。チベット動乱
四川大地震、次々と困難な事態が中国を襲ったが、それを撥ね退けるよ
うな形で、開幕まで強引に持ってきた。その裏では辺境では反政府テロが
起き、北京五輪を契機にして一気に不満が爆発する可能性すらはらんでい
ることを忘れてはならないだろう。そう言う意味では平和の祭典などとは
とてもでは無いが言っていられない。華やかな演出の影に隠れた部分はど
うやっても消せはしないのだ。地対空ミサイルで会場を固めなければなら
ない五輪など、どう考えても異常ではないか。同日、グルジアが分離独立
を求める南オセチア自治州に進攻し、さらに同自治州を支援する形でロシ
ア軍が介入し、戦闘状態となっている。平和の祭典と同時に大規模な戦闘
が起きている現実、決して目を背けてはならない。