北京市東城区の観光名所「鼓楼」で9日正午すぎ、凶器を持った中国人の
男が米国人旅行者ら3人を次々と襲撃し、米国人男性1人が死亡、米国人
と中国人の女性2人が負傷した。襲撃した男は自殺した。関係者によると、
男は社会に何らかの不満を持っていた可能性もあるという。北京では8日
に五輪が開幕したばかりで、厳重な警戒態勢が敷かれている。外国人が殺
害される事件が起きたことで、治安に対する不安の声が高まっている。関
係者らによれば、襲われた米国人2人は夫婦で、五輪に出場する男子バレ
ーボール米代表監督の親族という。北京滞在中のブッシュ大統領は、遺族
に哀悼の意を表した。 

 

如何に厳重な警備をしようとも、懐に隠し持った凶器で凶行が行われれば
防ぎようが無い。不幸にもそれを証明するすることとなった今回の事件は、
中国当局に大きな衝撃を与えたことだろう。北京五輪前にテロが続発した
ことで観戦ツアーの売れ行きも悪かったようだが、それにしても観光中に
外国人観光客が襲われたのは、中国のさらなるイメージダウンに繋がった
のは間違いない。それにしても開幕早々にこのような事件が起きるとは、
観戦に行かなくて良かったと思っている人々も多いのではないか。これが
テロ事件であれば、北京五輪どころではなかったであろう。北京五輪の期
間中に、再び外国人観光客が襲われるようような事態が起きれば、それこ
そ中国は世界から厳しい目で見られることになるはずだ。