北京五輪の開会式の際に、全世界にテレビ放映された花火で描いた“巨人”
の足形の映像は、コンピューターグラフィックスによる合成映像だったと、
英デーリー・テレグラフ紙などが12日までに伝えた。五輪映像効果担当
者が、合成と認めた。約1年の時間をかけて制作したという。英スカイニ
ューズ・テレビによると、開会式の映像は、全世界の30億人以上が視聴
した。映像は、開会式の開始直後に、北京市中心部の上空に巨人の足形の
ような形で花火が打ち上げられ、永定門から天安門広場を経て五輪メーン
会場、国家体育場まで、巨人が歩いて近づく様子を空撮で表現していた。

 

世紀の晴れ舞台のはずが、それがCG映像だったとは誰も思わなかったで
あろう。花火は実際に打ち上げられたが、航空管制などで空撮ができない
ため、合成映像を使用することを決めたということだが、果たしてそう言
う問題なのであろうか。全世界が視聴する映像が作られたものであった、
となると放映権を獲得した各国の放送局には当然知らせておくべきことで
はないか。生放送であるとの意識で観ている視聴者に対しても、これはC
Gであると伝える義務があるはずだ。北京五輪組織委の王偉・執行副会長
は「あの日は天気があまり良くなかったので、そうだったかもしれない」
などと他人事のような発言をしているが、中国らしい出来事と言えばそれ
までかもしれない。五輪の開会式まで偽装をするとは、もはやさすがの一
言である。