中国製冷凍ギョーザ中毒事件で、中国国内での被害発生情報が7月7日に
日本政府に伝えられていたことが外務省の説明で判明したことを受け、民
主党の直嶋政調会長らは12日、首相官邸岩城光英官房副長官に対し、
国会の閉会中審査を開き、福田首相に被害を公表しなかった理由について
説明するよう文書で申し入れた。文書では、首相や政府の対応について、
「(中国国内での中毒被害に関する)情報は、日本国民はもとより、食の
安全を所管する内閣府厚生労働省農水省にも一切伝えられなかった」
と指摘。その上で、「首相や日本政府は、国民に対し事実を隠ぺいし、必
要な対策を何も取らなかった。福田内閣は『安心実現内閣』を標榜してい
るが、中国の安心を実現する内閣と言わざるを得ない」と厳しく批判した。

 

予想通り民主党に付け入る隙を与えることとなった、中国国内での冷凍餃
子の中毒事件。先月の7日に情報を伝えられていたにも関わらず、中国側
の要請で公表しなかったのは、消費者軽視の姿勢と受け取られても仕方の
無いところではないか。安心実現内閣を標榜しながらも、中国に配慮して
公表しなかったと言うのなら国民の信頼を一気に失うこととなるだろう。
中国国内でも中毒事件が起きたことを隠し通せるわけも無く、そうまでし
福田首相が公表しなかった理由はいったい何なのであろうか。お茶を濁
すような理由を発表すれば、ますます民主党に付け入られるであろうし、
与党・公明党からも突き上げをくらうことになりはしないか。福田首相
政府が公表していなかったことについて「中国から、捜査に支障があるか
ら公表しないでくださいという要請があったと聞いている。捜査ではよく
あることだ」と反論したが、その言葉は虚しく響くばかりである。